管理人の日記 〜2000年3月〜先月日記トップ翌月
3月27日(月) 大場磐雄写真資料のデジタル化
 國學院大學では文部省の学術フロンティア拠点の指定を受け、日本文化研究所を中心として「劣化画像の再生活用と資料化に関する基礎的研究」を行っている。具体的には大場磐雄先生の残された写真等のデジタル化で、その事業の一環として3月25日(土)、大塚初重先生による講演、「大場磐雄博士と登呂遺跡」が行われた。研究所の山内さんのお誘いをうけ、渋谷の常盤松校舎へ向かった。合格後はじめての國學院大學である。
 まず、中心となってプロジェクトを進めている椙山林継教授からプロジェクトの概要等の簡単な挨拶があり、その後大塚先生のお話が始まった。
 登呂遺跡について、単に学術上の価値だけでなく、「戦後の日本人の明日の生活に勇気を与えた遺跡として永久に称えられる」と評価された。そのような話はいろいろな所で読んで知ってはいたものの、やはり実際に体験された方のお話はリアルで印象深いものである。後半は、『楽石雑筆』を元に昭和18年頃調査を巡る県・文部省との関係や、戦後の調査での他の委員との関係を述べられたりしたが、大塚先生は、博士の行動力・学問・真実への深い思いは並大抵のものではないという点を力説された。
 また、話の随所で有名な先生方が登場し、その裏話なども披露されたが、「今の私に大きな影響を与えた先生方が國學院大學にはいっぱいいるんだなあ」ということを改めて感じた。

 とはいえ、過去のことばかり考えていても仕方がない。
 私にとっての問題は先人の残された資料をどのように活用するか、ということである
 実は私は先週まで戸籍の電算化に関わるアルバイトをしており(作業自体は汚れ落しという非常に単純なものだが)、“戸籍の管理システム”づくりを垣間見ていた。また、東大総合研究博物館の特別展「デジタルミュージアム2000」とそのWebサイトも見たばかりである。データベースを今後どのように活用するかという点について考えはじめた所だったので、それを深く考えるには絶好の機会である。


3月20日(月) 「あすか」についてNHKが釈明
 3月18日の信濃毎日新聞によると、NHKの連続テレビ小説「あすか」について、文化庁は視聴者が誤解を招く表現があったと注文をつけNHK担当者が釈明に出向いたという。
 2月5日付けトピックスや「総務の部屋」で 話題となった問題であるが、私はそう簡単な問題ではないと思っている。
 この番組が多くの人に誤解を与えたのは確かである。しかし「あすか」で問題となったのは個人住宅ではなく小店舗である。営利目的の場合どこまで公費負担できるのか。私としても興味深い問題なので、制度上の問題について現在関連資料を収集中である。

 信濃毎日新聞:連続ドラマ「あすか」に文化庁注文


3月16日(金) デジタルミュージアム 〜東京大学総合研究博物館「デジタルミュージアム2000」〜

3月16日(金) 特別展観 日本列島60万年−考古遺物でつづる歴史絵巻−
 昨日、東京国立博物館の考古展示「特別展観 日本列島60万年−考古遺物でつづる歴史絵巻−」を見学してきた。
 平成館のオープン記念企画で昨年10月から行われていたもので、早く見たかったのだが、会期終了近くになってようやく行くことができた。
 本館の奥に聳える馬鹿でかく、天井の高い、四角いだけの建物は最近の博物館の建物のイメージからは外れるが、東博の本館を考えれば十分納得できる。
 目指す考古展示室はこの平成館の1階東側にあり、入口では伝馬高遺跡出土の立派な火焔形土器、伝香川県出土の銅鐸、挂甲の武人埴輪と秋草文壺(?・・・実はこれには気にとめていなかった)などが迎えてくれた。今回の展示では展示室の外側を通史展示として12の時期に分け、内側をテーマ展示として19のテーマにわけ、それぞれのテーマにあった資料を展示している。もちろん東博の資料自体は以前と変らないので改めて見直すという資料が多いが、60万年の歴史を語る資料はそう簡単には見終わらず、じっくりと見ることができたのは古代までであった。
 東博の資料は教科書や美術全集などでお馴染みのものが多いが、今回の展示では宮城・長野・北海道の旧石器や、男体山や大峯山の出土品など東博所蔵以外の著名な考古資料も借用されてきており、そのガイドブックはそのまま日本考古学の概説となっている。縄文関係の借用品としては花見山遺跡の土器、津金御所前遺跡の誕生土器、笹山遺跡の火焔形土器、その名の元になった宮内庁所蔵の御物石器、是川遺跡の漆器などがあった。
 以前見た資料でも、やはり明るいところできれいに並べられると美しい。ただ、展示方法としてはオーソドックスなガラスケースにキャプション、文字解説というスタイルで、ここはやはり美術館だ、ということを実感した。そんな中で家形埴輪の一群と人物・動物埴輪の一群が露出展示されていたのは非常に新鮮であった。
 この特別展観は3月26日(日)までということだが、借用品等は別として、多少の入れ替えはあるものの大部分の資料はそのまま展示されるということである。私はこの後、不忍池を抜け、東京大学の総合研究博物館へ向かったが、その話は次回にしよう。
 東京国立博物館特別展観 日本列島60万年−考古遺物でつづる歴史絵巻− 展示品リストあり
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