管理人の日記 〜2001年5月〜先月日記トップ翌月

5月20日(日) 日本考古学協会総会

5月19日(土) 「呪いと占い」
 今日はサークルの仲間たちと川崎市民ミュージアムで開催中の企画展「呪いと占い」を見に行った。
 これは民俗社会に受け継がれてきた「超自然的世界」をコントロールする知識体系としての呪いや占いを「願望を満たす」「災難を除ける」「未来を覗く」という3つの視点から取り上げたもので、江戸期〜現在までの資料が展示されていた。私が興味を持った資料をいくつか書き留めておきたい。
 1つは甲州で発行された疫病退散令状。役所発行の公文書で病人の枕もとで読み上げられたという。また予言獣と総称していいか分からないが吉凶を予言したり、その姿を見たものは災いを避けるなどという伝承のある怪物の刷り物。これは、人面と獣の一部などを稚拙に合成しているのだが、それが逆にそれが面白い。またそうした伝承が広く知れ渡り様々な怪物が描かれたことも興味深い。戦時中の出征兵士や防空壕のための祝詞などもじっくり読むと言葉遣いなどが面白い。さらに今回は高知県物部村のいざなぎ流の祈祷の場が再現されていた。切り紙による様々な形の御幣は1つ1つが神などを表しておりその複雑さに感動した。人相や家相関係の資料もじっくり読むと面白い。 なお、最後に御籤が用意されていたのはいい演出である。ちなみに私は大吉であった。

 また、同時に写真ギャラリーでは「デジタルプリントでよみがえる笠倉家の乾板写真」と題した写真展が行われていた。これは同市の笠原家から寄贈された写真乾板をスキャナーでデジタルデータとして取り込み、フォトショップで整え、プリントアウトしたものである。プリントアウトされたのは保存状態の良い約100枚だということだが、写真の一部はWeb上で公開されている。オンライン公開と写真展という試みは國學院大學の学術フロンティア事業でも参考になるだろう。

 明日は日本考古学協会総会です。午後は祭祀考古学会の売り子をすることになりそうです。お暇な方はお立ち寄りください。

 川崎市民ミュージアム企画展「呪いと占い」デジタルプリントでよみがえる笠倉家の乾板写真


5月1日(水) 歴博企画展「縄文文化の扉を開く」
 横浜につづき、5月1日は佐倉へ行ってきた。歴博で開催中の企画展「縄文文化の扉を開く−三内丸山遺跡から縄文列島へ−」が目的である。普段は一人で行動することが多い私だが、今回はサークルの仲間と一緒に車で行くことになり、楽しい一日を過ごすことができた。
 1人遅れてくることになり、先に常設展を見ることになったのだが、1時間以上縄文の部屋で過ごしてしまった。行かれた方はご存知だと思うが、中央に有名な土偶のレプリカが展示されているコーナーがある。この中に甲斐黒駒出土の土偶もあるのだが、なんと足がつけられているのだ。しかも短足でO脚。おちつきが感じられないのだが、どのような根拠で復元したのだろうか。このような感じで展示品についていちいち話していたので中々先に進めない。やはり歴博は広い。未だに考古と民俗以外の常設展示はじっくり見ていない。結局先に昼を食べることにして、食後は企画展から見ることにした。

 企画展は、三内丸山遺跡出土品が中心で、大きく歴博所蔵品と青森県所蔵品とに分かれる。歴博所蔵品は土器が多い。また青森県所蔵品は中学生の頃からお馴染みの資料が多く、私には目新しい資料というわけではなかった。ただ土器については、再び見ると以前よりは細かく観察できるようになっているのが実感できる。
 ところで、今回展示プロジェクト委員代表の阿部義平氏により新たな集落復元案が模型として出された。これについては今後詳しい説明があるものと思われるが、従来無意識に中心地と目されてきた野球場建設予定地より少し西側に集落中心地を考えている点は注目される。阿部案は従来の復元案と比べると圧倒的に住居数が少ない。図録には青森県作成のの復元模型の写真も掲載されているが両者の差は大きい。また、今回例の六本柱についても高さ16mの草葺の建物として復元案が出された。性格については言及されていない。模型(あるいは鳥瞰図)として具体的に示す方法は、初心者には非常に分かりやすく、こうした展示では必要なものであろう。だが、それは一方ではイメージを固定させてしまうという危惧もある。いずれも想像復元であり、絶対確実なものではない。今回の新案が調査の進展によるものなのか、研究者の考えの違いなのかはともかく様々な復元案が模型として示されるのは、そうした観点でも意味のあることであろう。
 この他、大湯、寺野東、桜町、上野原、横壁中村や深沢、池内、御所野、北黄金、居徳、槻の木、虫内3など、比較という観点で各地・各時期の遺跡の資料も展示された。

 歴博のミュージアムショップは友の会直営になり歴史書の品揃えは県内一だとか聞いたような気がするが、やはり充実している。特に全国の博物館の図録が置かれているのは有り難い。歴史・考古・民俗系では東博の品揃えを凌ぐ。ついつい買いこんでしまった。
 国立歴史民俗博物館企画展「縄文文化の扉を開く−三内丸山遺跡から縄文列島へ−」


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