管理人の日記 〜2005年8月〜先月日記トップ翌月
8月28日(日)〜30日(火) 円通寺裏古墳の調査にお邪魔して
 28日の作業終了後、伊豆の実習を切り上げ、栃木へ向かった。國學院大學栃木短期大学考古学研究室が実施している円通寺裏古墳の調査の様子を見に行くためである。円通寺裏古墳は、栃木市内の中期の前方後円墳で、昨年より短大の実習として調査が開始された。今年は28日〜9月3日までの日程で調査が行なわれる。作業に参加した月曜日・火曜日は結局竹林の根を掘り起こすことで終わってしまった。根の下から葺石らしい石がいくつか顔を出していたのだが、翌日になって全貌が現れたようである。
 ただ、今回の目的は古墳調査よりも短大の調査や短大生の様子を見に行くことにあった。昨年から男女共学となり、実習に参加する人数や、編入希望者も増えてきている。大学の考古学専攻生の多くが、2年間授業だけ出て、研究をまとめたり調査に出る機会を持たないまま3年になって実習と卒論とに取り組むのは厳しい、その点、短大生は2年間実習に参加し、卒論をまとめる機会があるのだから、その機会を大事にして欲しい、という話をした。2年生は、今後、秋から春にかけて編入試験と卒論作成に取り組むことになる。頑張って欲しい。
國學院大學栃木短期大学日本史学科歴史遺産コース考古学研究室2005年度の考古学実習の予定


8月25日(木)〜28日(日) 考古学実習
 昨年に引き続き、伊豆での考古学実習に参加した。三宅島物見処遺跡関連調査として、今回は、熱海市の日金山経塚の礫石経の整理が主な内容である。3000点近いとされた礫石経に対し、まず全点の観察カードを作り、図化する資料を選択、撮影・実測するというのが当初の大まかな工程であった。私は前半で引き上げたので観察カードの目途が付くところまでしか見守ることができなかったが、その流れを作ること、実習生に指示を出すこと、4年生に指示を出させることが我々の役目であった。
 今後、全点のデータの集計と、図化資料のトレース等の作業を大学で行なっていくことになろう。ここ数年の実習が各地域の全時代を対象としてきたのに対し、今回は対象が絞られているのでより内容の濃い報告書となることを期待している。


8月14日(日)〜18日(木) 魚沼地域の資料見学
 引き続き新潟に留まり、父の実家を拠点に魚沼地域の資料見学を行なった。
 14日は十日町市博物館で野首遺跡・栗ノ木田遺跡の墓域出土の堀之内2式後半期の土器など、16日は旧中里村の収蔵庫で中島遺跡の後期初頭〜前葉期の土器、17日午前は津南町農と縄文体験館で堂尻手遺跡の浅鉢、午後は塩沢町立今泉博物館で原遺跡の墓坑出土資料および後期の土器、18日は津南町の整理室で堂尻手遺跡の後期前葉の土器をそれぞれ観察させていただいた。ここで気づいたのは、浅鉢にコゲなどが付着することが多いということ、堀之内1式期の頚部屈曲鉢の文様はやはり関東のものとは異なっていること、堀之内2式終末期に位置づけられる石神類型がかなりの量みられるということなどである。これらを念頭に改めて収集したデータの整理を行ないたい。
 今回の資料見学にあたり各館の担当の方に大変お世話になったことを感謝したい。
 十日町市博物館津南町農と縄文の体験実習館塩沢町立今泉博物館


8月4日(木)〜13日(金) 山下遺跡の調査
 山下遺跡とその調査については昨年の日記に記した通りである。長岡市南東部に位置する中期前半の遺跡で、火炎土器出現期の様相の把握を目的に、NPO法人ジョーモネスクジャパン機構新潟、新潟県立歴史博物館、國學院大學栃木短期大学等が共同して3年前から調査が行なわれている。
(以下執筆中)


8月1日(月)〜3日(水)
上越市埋蔵文化財センター・中郷区考古博物館・泉縄文公園

糸魚川市長者ヶ原考古館・フォッサマグナミュージアム

杉久保遺跡ほか

長野県立歴史館「地下4mの「縄文伝説」」
 長野県立歴史館では表記の企画展が開催されている。《東北南部から新潟を経て北信まで土器の装飾が伝わった》という明確なストーリーがあり、これを脚色して越後の若者とヤシロの娘との「縄文愛伝説」に仕上げている。
 展示は大木囲貝塚や里浜貝塚、繋遺跡などの大木8b式・9式土器から始まる。ここで渦巻き文様が生まれた。大木囲貝塚出土の山内清男資料も展示されている。個人的には浅鉢や注口土器の形や精巧さに驚かされた。後期関東の源流と考えてもおかしくない。
 次いで越後の沖ノ原式へ。ここでは胴部の渦巻文にプラスして、把手が流行する。その源流は火炎土器である。上越市山屋敷1遺跡(といえば一昨日見てきたもの)では、大木系、北陸系、唐草文系、圧痕隆帯文土器など多様な土器群が出土している。ここで、三角トウ形土製品・ヒスイ・黒曜石など土器以外の交流が語られる。
 そして、千曲市屋代遺跡群へ。大木系・加曽利E系・圧痕隆帯文土器・唐草文系・北陸系など多様な土器が展示される。特に、大木系と在地とされる圧痕隆帯文土器との胎土分析で両者が異なることが示されたり、大木系の把手が故意に撃ちかかれていることをレントゲン写真で示されているところに企画者の姿勢がよく現れている。
長野県立歴史館地下4mの「縄文伝説」

津南町農と縄文の体験実習館なじょもん/十日町市博物館
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