管理人の日記 〜1999年4月〜先月日記トップ翌月
4月30日(金) 特別展観 平成11年度新指定国宝・重要文化財
 今日は社会見学(遠足)でした。高校3年になっても遠足って有るんですね。まあその中身はどうでもいいんですが、行き先が上野だったため、帰りに東博によってみました。

 そこでは、思いがけず「国宝・五重塔復興支援 女人高野室生寺のみ仏たち」という特別展がやっていました。高校生料金で600円。少し高いので一度は払い戻してもらいましたが、復興の手助けになればということで見学しました。案の定展示されていたのは8点の仏像(うち1点は十二神将)・光背と、少な目であったが、久しぶりに仏像をじっくり拝観することができた。復興支援の展示というは東博では初めてということであったが、江戸時代の出開帳を思わせる。

 さて、2階へあがってみるとこれまた思いがけない展示が行われていた。新指定文化財の特別展示である。つまり、17日のトピックスで取り上げた、笹山・一ノ沢・川原田の出土品などである。なんといっても会場の真正面に展示された最大級の火焔形土器(笹山遺跡・国宝)は素晴らしい。写真で何度もみても分からなかった細かい所をじっくりと観察すると、笹山遺跡の他の火焔形土器との相違点なども分かってきておもしろい。また口縁部が火焔形土器と同じ特徴をもつ深鉢も展示されていて、その造形の本質的なものが多少分かったような気がするなど、実物を何度も見ることの面白さを改めて思い知らされた。

 重文に指定された山梨県一ノ沢遺跡出土品はすぐに「蛇」が目に飛び込んできた。展示された土器のほとんどに蛇体文が施されていたがリアルなものから抽象的なものまでさまざまである。山梨は蛇体文を持つ文化圏の中央部に位置するが、長野や神奈川・東京に比べ、山梨の縄文資料はほとんど見たことが無かったので非常に感激してしまった。

 川原田遺跡の焼町土器も、このタイプの土器を見たことが無かったので、非常に興味深かった。ただ、土器の勉強はしていないので詳しいことがわからず残念であった。

 さらに、長者ヶ原(糸魚川市)・寺地遺跡(青海町)とヒスイ製品・蛇紋岩製品の製作遺跡を見に行ったことのある私としては、境A遺跡の資料が見らてたのも非常にうれしかった。

 この他には、黒田清輝の「湖畔」や高村光雲の「老猿」など教科書で馴染み深い文化財をこの目で見ることができたのも幸運であった。

 特別展期間中だけなのかもしれないが、東博の開館時間が金曜日は20時までとなっていた。他の西洋美術館や東京都美術館なども遅くまでやっているようだが、すばらしい傾向である。

 ●東京国立博物館(99.4.30現在 新指定の特別展示についての詳しい情報は無い)



4月22日(木) 妻木晩田遺跡群の特集番組&背景
 ●以前、佐古先生にお知らせしていただき、楽しみにしていたテレビ朝日系列の妻木晩田遺跡群特集番組。しかし、開始時刻の9時55分を夜の9時だと勘違いして結局見ることができませんでした。だれかテープダビングして頂ける人いないでしょうか。メールください。よろしくおねがいします。
 ●昨日から背景を真っ黒にしました。以前から考えていたのですが、今回スタイルシートを少しいじってみました(トピックス以外は変えていないので見にくい所があります)。皆さんの感想をお願いします。


4月22日(木) 青海のヒスイ原石一部破壊
 今朝の朝日新聞で、天然記念物の青海町橋立のヒスイ原石の一部が縦横1m、厚さ20cmにわたって破壊され、盗まれたということを知った。そして新潟日報のサイトの関連記事によると、町は対策として石を移動し、囲いを設けるという。
 ヒスイは縄文時代の代表的な交易品であり、私もヒスイ製品生産遺跡を尋ねて青海や糸魚川へ行ったことがある。その時は、交通手段の問題で原石は見ることができなかったが、写真で見ると非常に美しいところで、ぜひ一度行ってみたい所である。その原石が破壊されたという。非常に残念なことである。なにより、自然の景観を破壊する囲いを設けざるを得ない状況になったことに強い憤りを感じる。
  新潟日報

4月22日(木) 縄文前期にイネ=農耕?
 本日の新聞によると岡山市の朝寝鼻貝塚からイネ・コムギ・ハトムギなどのプラントオパールが発見されたという。イネの存在は既に中期・後期・晩期のいくつかの遺跡出土の資料で明らかになっていたが、これが前期まで溯ることになる。
 朝日新聞には農耕とする各氏の意見を掲載されていたが、何十年も議論されてきた農耕についての問題がこれで解決する訳ではないだろう。ここでは新聞の記事に対する疑問を述べるにとどめる。


4月17日(土) 縄文の起源は16500年前!
 今日の朝日新聞夕刊はトップおよび社会面のかなりの紙面を使って、大平山元(1)遺跡出土の土器片の年代測定結果を報道した。AMS法を用いて名大で計測されたもので、通説より4500年ほど古いという結果が出たという。
 つい先日、三内丸山の土器を歴博で測定して、中期の年代が溯ることが明らかにされたことも考えると、今後、暦年代観が大幅に変わってゆくのだろう。
 世界のなかでの縄文の位置づけが、より明確になるということですね。  ただ、国内については編年が完備されており、縄文全体の枠組みが大きく変更することはないと思うのだが、どうなのだろうか?


4月17日(土) 笹山遺跡の火焔形土器国宝指定へ!
 昨日、文化財保護審議会が文化財指定の答申を行い、新潟県十日町市の笹山遺跡出土の火焔形土器57点ほか関連資料一括(928点)が国宝に指定されることになった。
 新潟県信濃川流域の豪雪地帯に分布する火焔形土器は、岡本太郎や梅原猛をはじめ多くの文化人に縄文を代表する芸術作品として広く知られているが、やはり私もその魅力に強く引かれてしまった。
 そして、馬高遺跡(長岡市)や、沖ノ原遺跡(津南町)、長者ヶ原遺跡(糸魚川市)などを訪れ土器を見てまわった。しかし、やはり笹山遺跡の土器は大きさ、スタイル、展示環境などの点で最も感動したものである。
 国宝指定は棚畑遺跡の縄文のビーナスに続くものだが、国宝級の縄文遺物はまだまだあるように思うので、今後もどんどん指定されることを望む。
 なお、同時に境A遺跡出土品(富山県・玉製品など)、一の沢遺跡出土品(山梨県・縄文中期)、川原田遺跡出土品(長野県・焼町土器など)が重文指定となる。
《関連情報》
 ・笹山遺跡出土品国宝へ(十日町市ホームページ)
 ・富山県境A遺跡出土品の重要文化財指定について(富山県文化財課)
 ・重文に大善寺・十二神将立像 文化財保護審 一の沢遺跡出土品も (山梨日日新聞社)
 ・御代田・川原田遺跡の焼町土器が重文に 審議会答申(信濃毎日新聞社 写真あり)


4月16日(金) 縄文学研究室復活しました
 なぜか、パスワード関係の操作を誤ってしまったようで、ここ数週間全く更新ができませんでしたが、ようやく復活することができました。

4月9日(金) 祝・妻木晩田遺跡群全面保存決定
 今朝の朝日新聞で、ついに知事が保存を表明したことを知った。読売をはじめ先行報道が相次でいたため少し不安だったが、今度こそ本物であることが分かりうれしかった。
 既に応援団をはじめ、保存後の活用を求める多くの声が出ているようだが、今後はゆっくり時間をかけて活用方法を考えていって欲しいと思う。
 まずは、保存に向けて努力されてきた皆様、どうもお疲れ様でした。
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