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文化財保護法までの保護政策資料(1)

【1871年】
【『東京国立博物館百年史』より】
【明治4年4月25日 大学献言】

  大学献言

集古館建設ヲ建設致侯一大要件ハ既ニ外務省等ヨリ及献言候旨ニ付更ニ贅言不仕侯ヘ共、戊辰干戈ノ際以来、天下ノ宝器珍什ノ及遺失侯モノ儘有之哉ニ伝承致シ、遺憾ノ至ニ有之候処珠ニ近来世上ニ於テ欧洲ノ情実ヲ悉知不仕侯輩ハ彼顔日新開化ノ風ヲ以テ徒ニ新奇発明ノ物耳貴重仕候様誤信致、只管厭旧尚新ノ弊風ヲ生シ経歳累世ノ古器旧物敗壊致侯モ不顧既ニ毀滅ニ及候向モ有之哉ニ相聞ヘ考古ノ徴拠トモ可成候物逐日消失仕侯様成行、実以可借次第ニ有之候。抑西洋各国ニ於テ集古舘ノ設有之侯ハ古今時勢ノ沿革ハ勿論往昔ノ制度文物ヲ考証仕候要務ニ有之、大学ニ於テモ必要ノ要件ニ候間何卒右等ノ物品遺失不仕侯様致度、併当時内外御用途御多端ノ折柄ニ付、若集古館御建設ノ儀速ニ難被為行儀モ有之侯ハバ姑ク府藩県ヘ御布告相成、歴世相伝仕居侯宝器ハ勿論自余ノ雑品ニ有之候共考古ノ徴証ニ可相備品物ハ精々保護相加侯様御沙汰有之且夫々専務ノ者被命右器物ヲ図画ニ模写致シ羅集編成ノ儀被仰付侯様有之度、若シ当時ノ世態ニテ更ニ一歳有余ヲ打過候ハバ天下ノ古器宝物ハ大概壊滅仕、竟ニハ其形似モ不存侯様相成行候患害無之トモ難申侯間、何卒至急御処置有之侯様仕度此段献言仕侯 以上(四年四月廿五日)



【『文化財保護のあゆみ』より】
【明治4年5月23日 太政官布告】

  古器舊物保存方


 古器舊物ノ類ハ古今時勢ノ變遷制度風俗ノ沿革ヲ考證シ候爲メ其裨益不少候所處自然厭舊競新候流弊ヨリ追々遺失毀壊二及ヒ侯テハ實ニ可愛惜事ニ候條各地方ニ於テ歴世藏貯致シ居候古器舊物類別紙品目ノ通細大ヲ不論厚ク保全可致事
 但品目並ニ所藏人名委詳記載シ其官廳ヨリ可差出事

(別紙)
一 祭器ノ部
   ~祭ニ用ル楯矛其他諸器物等
一 古玉寶石ノ部
   曲玉 管玉 瑠璃 水晶等ノ類
一 石弩雷斧ノ部
   石弩 雷斧 霹靂碪 石劔 天狗ノ飯匙等
一 古鏡古鈴ノ部
   古鏡 古鈴等
一 銅器ノ部
   鼎 爵其他諸銅器類
一 古瓦ノ部
   名物並名物ナラスト雖モ古キ品
一 武器ノ部
   刀劔 弓矢 旌旗 甲冑 馬具 戈〓[卓戈] 大小 銃砲 彈丸 戦鼓 〓〓[口孛 口等]等
一 古書畫ノ部
   名物 肖像 掛軸 巻軸 手鑑等
一 古書籍並古經文ノ部
   温古ノ書籍圖畫及古版古寫本其他戲作ノ類ト雖モ中古以前ノモノニシテ考古ニ屬ス物等
一 扁額ノ部
   神社佛閣ノ扁額並ゥ名家書畫ノ額等
一 樂器ノ部
   笛 笙 太鼓 鐘鼓 篳篥 羯鼓 筝 和琴 琵琶 假面其他猿樂裝束並ゥ樂器歌舞ニ屬スル品
一 鐘鈷碑銘墨本ノ部
   名物並名物ナラスト雖モ古キ品
一 印章ノ部   
   古代ノ印章類
一 文房ゥ具ノ類
   机案 硯 墨 筆架 硯屏ノ類
一 農具ノ部
   古代ノ用品
一 工匠器域ノ部
   同
一 車輿ノ部
   車 輿 籃輿等
一 屋内ゥ具ノ部
   房室ゥ具 屏障類 燈燭類 鎖鑰類 庖厨ゥ具 飮食器 皿 煙具等
一 布帛ノ類
   古金襴並古代ノ布片等
一 衣服裝飾ノ部
   官服 常服 山民ノ服 婦女服飾 櫛簪ノ類 傘笠 雨衣 印籠 巾著 履屐ノ類
一 皮革ノ部
   各種ノ皮革並古染革ノ紋圖
一 貨幣ノ部
   古金銀古錢並古楮幣等
一 諸金製造器ノ部
   銅 黄銅 赤銅 銅 紫金 銕 錫等ヲ以テ製造セルゥ器物
   各国陶器磁器等
一 漆器ノ部
   蒔畫 貝 堆朱等ノ諸器物
一 度量標衛ノ部
   秤 天平 尺 斗升 算盤等古代ノ用品
一 茶器香具花器ノ部
   風爐 釜 茶碗等ノ茶器 香盒 香爐ノ香具 花瓶 花臺等ノ花器類
一 遊戲具ノ部
   碁 將棊 雙六 蹴鞠 八道行成 投壺 楊弓 投扇 歌骨牌等
一 雛幟等偶人並兒玩ノ部
   這子 天兒 雛人形 幟人形 木偶 土偶 奈良人形等 其他兒童玩弄ノゥ器
一 古偶像並佛具ノ部
   佛像 経筒 五具足 寶鐸等ノ古佛具
一 化石ノ部
   動植ノ化石並動物ノ骨角介穀ノ類

古品物ハ上ハ神代ヨリ近世ニ至ル迄和品舶齎ニ不拘


【明治7年(1874)5月2日 太政官布達第59号】

  古墳発見ノ節届出方


 上世以来御陵墓ノ所在未定ノ分即今取調中二付各管内荒蕪地開墾ノ節口碑流伝ノ場所ハ勿論其他古墳卜相見へ候地ハ猥二発掘為致間敷候若差向墾粥ノ地二有之分ハ絵図面相副教部省へ可伺出此旨相達侯事


【明治13年(1880)11月15日 宮内省達乙第3号 各府県(沖縄県を除く)宛通牒】

  人民私有地内古墳等発見ノ節届出方


 上世以来御陵墓ノ所在未定ノ分即今取調中二付云云ノ件去ル七年五月第五十九号ヲ以テ公達ノ趣有之就テハ古墳卜相見侯地ハ人民私有地タリトモ猥リニ発掘不致筈ニ侯へトモ自然風雨等ノ為メ石槨土器等露出シ又ハ開墾中不図古墳ニ堀当リ候様ノ次第有之侯ハヽ口碑流伝ノ有無ニ不拘凡テ詳細ナル絵図面ヲ製シ其地名並近傍ノ字等ヲモ取調当省へ可申出此旨相達候事


【明治32年(1899)10月26日 内務省訓令第985号 道庁・府県宛通牒】

  学術技芸若ハ考古ノ資料トナルべキ埋蔵物取扱ニ関スル件


 遺失物法第十三条ニ依リ学術技芸若ハ考古ノ資料卜為ルヘキ埋蔵物ヲ発見 シタルトキハ其ノ品質形状発瀬ノ年月日場所及口碑等徴証トナルヘキ事項ヲ詳記シ模写図ヲ添へ左ノ区別二従ヒ之ヲ通知スヘシ。
 一、古墳関係品其ノ他学術技芸若ハ考古ノ資料トナルヘキモノハ宮内省
 一、石器時代の遺物ハ東京帝国大学
 宮内省又ハ東京帝国大学ヨリ前項埋蔵物送付ノ通知ヲ受ケタルトキハ仮領収証書ヲ徴シ物件ノ毀損セサル様装置シテ之ヲ送付スヘシ。運送二関スル費用ハ警察費ヲ以テ支弁シ宮内省又ハ東京帝国大学二要求スヘシ。
 宮内省又ハ東京帝国大学ヨリ貯蔵ノ必要アル旨通知ヲ受ケタル埋蔵物ニシテ公告後法定ノ期間ヲ経過シ所有発見セス所有権国庫ニ帰属シタルトキハ其ノ宮内省二係ルモノハ相当代価ヲ以テ同省二譲渡シ東京帝国大学二係ルモノハ同学二保管転換ノ手続ヲ為シ当省へ報告スヘシ。
 宮内省又ハ東京帝国大学ヨリ貯蔵ノ必要ナキ旨通知ヲ受ケタル埋蔵物ハ学術技芸若ハ考古ノ資料ニ供スヘキ物件ノ取扱ヲ為サス法定期間経過後発見者二交付スル等便宜ノ処分ヲ為スヘシ。


縄文学研究室トップ法令集トップ管理人:Nakamura Kousaku
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