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【1975年】
【『文化財保護の手引き』(神奈川県教育委員会)より】
庁保記第211号  
昭和50年10月20日

各都道府県教育委員会教育長 殿
文化庁文化財保護部長

農業基盤整備事業等と埋蔵文化財保護との関係の調整について(通知)


 文化財保獲法の一部を改正する法律の施行に伴い、既に「文化財保護法の一部を改正する法律等の施行について」(昭和50年9月30日付け庁保管第191号、文化庁次長から各都道府県教育委員会教育長あて通達)において通達した事項を除くほか農林省と文化庁とは、農業基盤整備事業及び林業生産基盤の整備の事業(以下「農業基盤整備事業等」という。)と埋蔵文化財保護との関係について、下記1の事項について了解に達しました。当庁としては、この趣旨に沿い、農業基盤整備事業等と埋蔵文化財の保嶺との関係の調整に努めることとしておりますが、貴職におかれましても、下記2の事項に御留意の上、これらの事業と埋蔵文化材の保護との調整について御配慮くださるようお願いします。
 なお、この通知の内容については農林省においても了解ずみですので申し添えます。

 
(1)農業担当部局は、周知の埋蔵文化財包蔵地において農業基盤整備事業の実施を予定する場合には、文化材保護担当部局の当該事業実施予定地区内における当該埋蔵文化材の調査に要する期間等を考慮して、あらかじめ、工事の実施計画について、文化財保護担当部局と連絡調整を図るものとする。

(2)文化庁は、農業基盤整備事業に係る国の機関等が行う周知の埋蔵文化財包蔵地の発掘についての文化財保護法(以下「法」という。)第57条の3の規定の適用については、同条中「当該発掘に係る事業計画」及び「当該事業計画」とは、埋蔵文化財包蔵地における発掘に係る部分の工事の実施計画を意味するものであって、土地改良法に規定する土地改良事業計画を意味するものではないことを確認する。

(3)文化財保護担当部局は、農業基盤整備事業に係る法第57粂の3第3項及び第57粂の6第3項の協議並びに農業基盤整備事業の実施地区及び実施予定地区に係る埋蔵文化財の調査に当たっては、当該事業の計画的かつ円滑な実施に支障が生じないよう速やかに措置するものとする。

(4)農業基盤整備事業の実施地区及び実施予定地区に係る埋蔵文化財の調査は、原則として、文化財保護担当部局において実施するものとし、かつ、当該に要する経費は、すべて文化財保護担当部局において負担するよう努めるものとする。

(5)(4)にかかわらず、やむを得ず、当該調査に要する経費を、農業基盤整備費のなかで負担せざるを得ない場合においても、当該経費のうち農家負担分については、文化財保護担当部局において負担するものとする。

(6)文化財保護担当部局は、文化財の事前分布調査を実施するに当たっては、農業基盤整備事業実施地区及び実地予定地区において優先的に実施するよう努めるものとする。

(7)文化財保護担当部局は、法第57粂の5の行為の停止命令の発動に当たっては、季節に左右されることの多い農林漁業活動及び農業基盤整備事業等の円滑な実施に支障が生じないよう十分留意するものとする。

(8)林業生産基盤の整備の事業に印しても、上記(1)から(7)に準じた方向で処理するものとする。

 
(1)各都道府県の教育委員会においては、農林業関係事業と文化財の保護との調整に資するため、常にそれらの行政担当部局等との密接な連賂を保つこと。

(2)農業基盤整備事業等に関する1の了解事項のうち予算を伴うものについては、昭和51年度から実施されることとなるが、この場合、農林業担当部局から、埋蔵文化財の調査に要する期間及びその経費の予筆的準備等に要する期間を考慮して可能な限り早期に農業基盤整備事業等の工事の実施計画等について文化財保護担当部局に連絡し、調整を図ることとする旨了解されているので、適宜事前の分布調査、遺跡の確認調査、保存措置等を行うとともに、事前調査及びその経費負担等について十分に調整するよう配慮されたいこと。

(3)1(4)の趣旨に沿う埋蔵文化財の調査経費の負担については、農業基盤整備事業等における農家及び林家の負担が多様であること等の事情もあるので、各地方における実情に応じ、各都道府県教育委員会において、関係部局と十分に調整されるよう配慮されたいこと。


縄文学研究室トップ法令集トップ管理人:Nakamura Kousaku
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