埋蔵文化財関連法令集縄文学研究室トップ法令集トップ
【1996年】
考古学研究45-3(179)より】
庁保記第182号  
平成9年8月13日

各都道府県教育委員会教育長 殿
文化庁次長

出土品の取扱いについて(通知)


 発掘調査等による出土品に関しては、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第63条第1項の規定により国庫に帰属した出土品について、「出土文化財取扱要領」(昭和55年2月21日付け文化庁長官裁定)により、出土品のうち国で保有するものの選択基準、法第64条第1項又は第3項の規定に基づく出土品の譲与と譲与後の取扱い、国で保有しているものの貸付け等について定め、これに即して「出土文化財の取扱について」の通知(昭和55年2月21日付け庁保記第12号。文化庁次長から各都道府県教育委員会教育長あて通知)により 国が保有した出土品及び、譲与された出土品の取扱いについて指導を行ってきたところであります。
 しかしながら、近年、出土品は、開発事業等に伴う発掘調査事業量の増大に比例して増加し続けており既に収蔵されているものを含めて、その取扱いは文化財保護行政上の大きな課題とされております。
 このため、当庁では、出土品の取扱いの在り方について、「埋蔵文化財発掘調査体制等の整備充笑に関する調査研究委員会」において検討を行ってきたところでありますが、平成9年2月の同委員会報告「出土品の取扱いについて」(以下「報告書」という。)を踏まえ、出土品全体の取扱いに関し、別紙のとおり「出土品の取扱いに関する指針」(平成9年8月13日文化庁長官裁定。以下「指針」という。)を定めました。
 ついては、出土品の取扱いに関しては、今後、この「指針」に従い、下記により行うこととしますので、貴教育委員会におかれては、出土品の適切な保存・活用に必要な措置を講ずるとともに、貴管下の市町村(特別区を含む。以下同じ。)の教育委員会その他の関係機関に村し、このことを御伝達の上、出土品の具体的な取扱いに関する指導・調整等につき遺漏のないよう御配慮ください。
 なお、この通知により昭和55年2月21日付け庁保記第12号の通知は廃止することとしますので、御承知おきください。



1.出土品の取扱いに関する基本的な考え方(「指針」1関係)

 出土品の文化財としての取扱いについては、次に掲げる基本的な考え方により 具体的な措置を執ることとされたい。

(ア)出土品については、一定の基準に基づき、将来にわたり文化財として保存を要し、活用の可能性のあるものと、それ以外のものとに区分し、その区分に応じて保管・管理その他の取扱いを行うこと。

(イ)上記(ア)区分により保存・活用の必要性・可能性があるとされた出土品については、その文化財としての重要性・活用の状況等に応じて、適切な方法で保管・管理を行うこと。

(ウ)出土品の活用については、専用施設における展示・公開等の徒釆の方法にとらわれず、広範な方途により積極的に行うこと。

(エ)法第63条第1項の規定により国庫に帰属した出土品は、法第64条の規定により、その保存のため又は効用からみて国において保存・活用を行う必要がある場合は国が保有し、それ以外の場合は地方公共団体等に譲与すること。

(オ)国で保有した出土品については、その活用のために必要があるときは、地方公共団体等に対して貸し付けることができること。
 各都道府県教育委員会においては、この基本的な考え方に従い、以下の各項目について、各地域の歴史的特性等に応じた具体的な基準を定めること等により、出土品の適切な保存・活用を進めることができるよう措置されたい。

2.併存・活用の必要性・可能性のある出土品等の区分(「指針」2関係)

(1)区分に関する基準
 将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性のある出土土品とそれ以外のものとの区分については、一定の基準に即して行う必要がある。
 したがって、各都道府県教育委員会においては、次に示す諸要素を総合的に勘案し、かつ、各地域の歴史的特性や関連の学問分野等に係る要素を加えて、区分に関する具体的な基準を定めることとされたい。
 1 種類:出土品の種類・性格による分類の要素
 2 時代:出上品が製作され、又は埋蔵された時代の要素
 3 地域:出土品が出土した場所、地方又は歴史的・文化的区域の要素
 4 遺跡の種類・性格:出土した遺跡の種類・性格の要素
 5 遺跡の重要度:出土した遺跡の重要度の要素
 6 出土状況:出土の状況、特に遺構との関係に関する要素
 7 規格性の有無:出土品が型作り等による規格品・大量生産品であるか否かの要素
 8 出土量:同種・同型・同質の出土品の出土量の要素
 9 残存度・遺存状況:出土品の残存・保存の程度の要素
 10 文化財としての重要性:出土品自体が有している文化財としての性格・重要度の内容・高低の要素
 11 移動・保管の可能性:出土品の大きさ・形状・重さ、それによる移動・保管の可能佳の要素
 12 活用の可能性:出土品の将来的な活用の可能性の有無・程度に関する要素
この基準に策定に際しては、前期「報告書」の第2章、2、(2)中の「選択についての標準・方針の要素・視点となる事項」を参照されたい。
 なお、この基準については、策定後もその妥当性・有効性について随時検討し、学術的な進歩、社会的認識の変化等に従って、最適なものとなるよう改善していくことが望ましい。

(2)区分の対象等
 出土品の区分は、現在収蔵・保管が行われているもの及び今後発掘調査等により出土するものを対象とし、発掘調査の段階 出土品の整理作業の段階、それ以降の段階等において随時行うことが望ましい。

3.出土品の保管・管理等(「指針」3関係)


(1)保管・管理に関する基本的な考え方及び方法

(ア)基本的な考え方
 将来にわたり適切に出土品の保存・活用を計り、かつ、保管スペースを効率的に利用していくためには、出土品について、その種類・形状・形態、材質・依存状況、文化財としての重要性、発掘調査報告書・記録等への登載の有無、整理済み・末整理の別、活用の状況・可能性等の諸要素を総合的に勘案して区分し、その区分に応じて保管・管理の態様をいくつかの種類・段階に分け、適切かつ合理的に保管・管理を行うことが必要である。
 このような出土品の区分とそれに対応した保管・管理の握り方としては、次のようなものが考えられる。
 1 文化財としての価値が高く、展示・公開等による活用の機会が多いと考えられるもの
 柱類・形状・形態や活用の傾度を考慮し、一般の収蔵庫等とは別の展示・収蔵施設において保管・管理を行うことが考えられる。また、材質・依存状況において脆弱なもの、特別の保存措置を要するものについては、適切な収納・保管設備、空気調節などの環境調整のための設備の整った施設において保管・管理を行う。
 2 文化財としての価値・活用の頻度等において@の区分に次ぐもの
 保存及び、検索・取出しの便と保管スペースの節約を考慮しつつ、収蔵箱に入れ収戚棚に整理する等、適切な方法で保管・管理を行う。発掘調査報告書に記載されたものとそれ以外のもの、完形品とそれ以外のもの、展示・公開や研究資料としての活用の可能性の大小等の観点で、更に数区分に分けることも考えられる。
 3 文化財としての価値、活用の可能性・頻度が比較的低いもの
 必要があれば取出しが可能な状態で、保管スペースを可能な限り効率的に利用できる方法で収納する。
 この場合、出土品の保管・管理は、必ずしも同一遺跡から出土した出土品を同一の地方公共団体等で一か所に一括して保管するという考え方にとらわれる必要はなく、適切かつ合理的な保管・管理の観点から柔軟に対応することが望ましい。
 各都道府県教育委員会においては、上記の基本的な考え方に即し、出土品の適切かつ合理的な取扱いについて、管下の教育委員会等に対する指導等を含め、配慮されたい。

(イ)適切な保管・管理のための記録の整備・管理
 出土品の保管・管理を行う地方公共団体等においては、出土品の適切な管理や活用のため、その名称・内容・数量・発見時期・出土遺跡名、発掘調査報告書への記載状況 保管の主体・場所等に関する記録を作成し、管理する必要がある。
 各都道府県教育委員会においては、この趣旨に沿って、出土品の適切な保管・管理について管下の市町村教育委員会その他出土品の保管・管理を行う機関等に対する指導等を含め、配慮するとともに、管下における出土品の保管・管理状況について的確に把握しておくこととされたい。
 なお、地方公共団体等へ譲与された出土文化財については、従来、その滅失、き損、所布者又は所本場所の変更について、都道府県教育委員会を経由して文化
げへ報告することとされていたが、この制度は廃止することとした。

(2)保管・管理のための施設・体制の整備
 出土品について適切かつ合理的な保管・管理を行っていくためには、地方公共団体等における必要な施設の充実と専門的知識を有する職員による体制の整備を進める必要がある。
 出土品の保管・管理施設としては、従来、各地方公共団体において、埋蔵文化財収蔵庫、歴史民俗資料館、埋蔵又化財調査センター、出土文化財管理センター等が設置されてきているが、当庁では、現在、出土品の保管・管理と展示等の活用のための「埋蔵文化財センター」の建設に対し国境補助を行っているので、これを活用する等により、今後ともその充実を図ることとされたい。

(3)出土品の廃棄その他の措置と配慮事項
 将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性がないとされた出土品については、発掘調査現場から持ち帰らず、あるいは埋納、投棄などにより廃棄することができることとなるが、これらの措置は、発掘調査の段階、出土品の整理作業の段階、それ以降の段階等において、発掘調査主体、法第64条第1項又は第3項の規定による譲与を受けた地方公共団体等が行うこととなる。
 これらの措置を執ることについては、後記4による広観な活用の方途を検討した上で、なおかつその可能性のない場合に限る等、慎重な配慮が必要であり、特に地方公共団体以外の者による廃棄等は、関係地方公共団体の教育委員会による指導の下に行われる必要があるので、各都道府県教育委員会においてはこの旨留意の上、適切に措置されたい。
 また、廃棄その他の措置を執る場合は、後日、無用の誤解・混乱を生ずることのないよう、対象の出土品の撞類・性格・数量等に応じて、何を、どこにおいて、どのような措置を執ったかの概要に関する記錆・資料を作成し、保管しておくことが必要である。
 各都道府県教育委員会においては、出土品の廃棄その他の措置を執った管下の市町村教育委員会等から上記の記録・資料の提出を受ける等により、管下における取扱いの状況を把捉するとともに、出土品の適切な取扱いの確保のため、必要に応じて適宜指導することとされたい。
 なお、地方公共団体等による出土品の廃棄は、発見者による当該出土品に係る遺失物法(明治32年法津第87号)第13条で準周する同法第1条の規定による警察署長への差出し(都道府県、指定都市又は中核市の教育委員会の発見に係る出土品については、法第98条の3第1項で準用する同法第59条第1項の規定により通知)の時から、法第64条第1項又は第3項の規定による地方公共団体等への譲与が行われるまでの間は、行うことができないので留意されたい。

4.出土品の活用(「指針」4関係)

(1)活用に関する基本的な考え方
 出土品については、埋蔵文化財の保護や発掘調査に対する団民の理解と協力を他進するためにも、国民が様々な機会に種々の方法でこれにふれることができるよう、従来行われている方法による活用を拡充するとともに、出土品の種類・性格に応じた新たな方法を開発し、積極的にその法範な活用を図る必要がある。
 このような出土品の活用方法の改善・允実については、出土品の保管・管理を行う地方公共団体等が、次に示す例を参考として、それぞれ有効かつ適切な方途を検討し、実施することが望まれる。
 したがって、各都道府県教育委員会においては、出土品の積極的な活用について、出土品の保管・管理を行う管下の市町村教育委員会等に対する指導を含め、配慮されたい。

(ア)博物館等の展示専用施設における活用の改善・充実
 博物館や歴史民俗資料館の展示専用施設における展示については、発掘調査組織と博物館等との連綿・協力関係を強化し、発掘調査の成果を地域に広く公開するため、最新の調査成果を反映した常設展示の更新や速報的な展示の企画等を積極的に進めること。
 また、展示の方法としても、出土品の種類によっては、見るだけではなく直接触れることができるようにする等の工夫も必要である。

(イ)学校教育における活用の充実
 出土品は、子ども達が直接、見て、触れながら、地域の歴史や文化を学ぶことができる貴重な資料であるため、これを学校教育における「生きた教材」として、一層積極的に活用すること。
 この場合、地方公集団体においては、出土品の提供や資料の作成・畏供、埋蔵文化財担当専門職員による説明等の協力を行うことも必要である。

(ウ)地域の住民に対する活用の工夫
 市町村役場や公民館等の住民に身近な公共施設における出土品の展示や地域の行事への出品、発掘調査の現地説明会における活用等、地域の住民が直接出土品にふれることができる機会を設けること。

(エ)民間施設を利用した活用
 公的な展示専用施設に限らず、例えば発掘調査の原因となった開発事業により建設された施設での展示等、展示専用施設でない民間の施設を有効に利用した活用も積極的に進めること。

(オ)他の地方公共団体等との連携
 出土した地域や地方公共団体内に限らず、相互交換・貸借により、国内の他の地域における展示・公開あるいは研究資料としての活用を図ること。
 なお、我が国の多様な文化と歴史に村する理解を深める上から、外国における展示・公開等も有益であると考えられる。

(カ)学術的な活用の推進
 出土品は、文化財としての活用のほか歴史学・考古学等の研究資料としての活用の可能性を有するものであり、その研究資料としての活用は、学術の進歩・発展にとっても有効なものであるので、大学、研究機関等における研究活動等における出土品の活用を今後一
層拡充すること。
 そのためには、各地方公共団体において、大学・研究機関・関係学界との間で、出土品に関する情報提供等のための恒常的な連携・連絡の方途を確保し、出土品を研究資料として提供する等の仕組みを構築することが望ましい。
 なお、活用に伴って出土品の交換、譲与、貸出し等を行う場合は、出土品の保管・管理を行う地方公共団体等において、その種類、数量等必要な事項を記録し、適正な取扱いを確保するよう配慮されたい。

(2)展示・公開のための施設・体制の整備等
 出土品の展示・公開等その積極的な活用の推進のため、地方公共団体、特に市町村においては、必要な施設の設置や既存の施設の充実・改善及び専門職員の配置等による体制の整備を閲る必要がある。
 また、埋蔵文化財の発掘調査、出土品の収蔵・保管等の拠点となる施設の設置・整備に際しては、発掘調査の成果を住民に還元できるよう、出土品の展示等の活用のための機能にも十分配慮することが必要である。
 前記3、(2)の「埋蔵文化財センター」は、このような施設としても有効なものであるので、これを活用されたい。
 また、出土品の広範な活用のため、その保管・管理や活用状況について、広報誌・コンピューター利用の情報ネットワークなどを活用しで情報発信を図ることについても配慮されたい。

5.出土品の整理の促進


 上記のような出土品の区分、適切かつ合理的な保管・管理その他の取扱いを適正に行うためには、出土品の整理を行い、その内容等が的確に把握されていることが必要である。
 各都道府県教育委員会においては、発掘調査が出土品の整理を経て報告書の作成をもって完了するものであることを十分認識し、現在末整理のまま収蔵されているものを含めて出土品の整理を促進すること、及び出土品の整理作業のための体制や施設の整備・充実を図ることについて、管下の市町村教育委員会その他の発掘調査を行う機関に対する指導を含め、配慮されたい。

6.出土品の国保有(「指針」5関係)

 従来から、保有のため又は効用からみて国において保存・活用を行う必要がある出土品は、国で保有することとしてきたところである。
 出土品の国保有については、これまで出土地の関係地方公共団体の協力を得て進めてきたところであるが、今後とも、全国的視野に立って協力するとともに、管下の市町村教育委員会の協力方につき配慮されたい。
 なお、国で保有する出土品の選択基準は、従来どおりである。

7.出土品の地方公共団体への譲与(「指針」6関係)

(1)地方公共団体への譲与の促進
 従前から、国庫に帰属した出土品のうち国で保有することとしたもの以外のものについては、その発見者又は発見された土地の所有者(以下「発見者等」という。)が当該出土品に係る法第63条第1項の規定による報奨金の支給を受ける権利及び法第64条第1項の規定による譲与を安ける権利を主張していない場合、原則として、法第64条第3項の規定により 出土地を管轄する地方公共団体に譲与することとしている。
 出十品の保存・活用は、各地方公共団体が、その管轄する区域内において発見された出土品の譲与を受け、その責任において行うことが最も適切であるので、各都道府県教育委員会においては、この趣旨に沿い、法第64条第3項の規定による譲与の申請手続きを進めるよう、管下の市町村教育委員会に対する指導を含め、配慮されたい。
 地方公共団体への譲与について、当該出土品の発見者等が法第63条第1項の規定による報奨金の支給を受ける権利及び法第64条第1項の規定による譲与を受ける権利を主張していない場合に限ったのは、発見者等との間の無用な混乱を避けるためである。したがって、地方公共団体が出土品の譲与を受けようとする場合は、あらかじめ当該出土品の発見者等と連絡をとり、その了承を得ておくことが必要である。
 また、工事等に伴う発掘調査その他の場合で、発見者等が企業、個人、法人格を有しない遺跡調査会等出土品の保存・活用を行うに適さないと考えられる者である場合には、調査に関する法第57条第1項の規定による届出又は事業者との間の発掘調査に係る委託契約等の段階で、出土品について、発見者等としての権利を放棄する旨を確認する等、前記の取扱いを円滑にする措置について配慮することが望ましい。

(2)発見者等への譲与
 上記(1)による国保有又は法第64条第3項の規定による地方公共団体への譲与を行うことができない場合については、法第64条第1項の規定により発見者等に譲与することとなる。
 なお、地方公共団体以外の組織か行った発掘調査による出土品について、当該組織が自ら譲与を受けることを希望する場合は、当該組織が法人格を有する場合に限り、出土地を管轄する地方公共団体が譲与を受けた上で、適切な保存・活用が確保されることを確認の上当該組織に貸与又は再譲与を行う等の措置を執ることとし、その後の保管・管理等についても当該地方公共団体の教育委員会が指導等を行うことが適切であると考えられるので、この趣旨に浴って指導されたい。

(3)譲与の手続
 法第64条第1項又は第3項の規定による出土品の譲与は、別紙様式1の「出土品譲与申請書」の提出に基づき行うこととしているので、譲与を希望する者に対し、手続きについての指導等に配慮されたい。

8.国が保有している出土品の貸付け(「指針」8関係)

 国が保有している出土品については、従来から、その出土地等の適切な施設において保管・展示等を行うため、貸付けを行ってきたところでみるが、今後も、地方公共団体、博物館、歴史民俗博物館、大学その他当該出土品の保有・活用を行うに通した者から借り受けたい旨の申し出があった場合は、次の事項を確認した上、物品の無償貸与及び蕗与等に関する法津(昭和22年法津第229号)の定めるところにより、当該出土品を貸し付けることとしている。
 1 借受けの目的が当歳出土品の保存・活用にとって適切であること
 2 当該出土品の保管・展示等を適切に行うための施設・設備が整備されていること
 3 貸付けの期間丸 当該出土品が適切な知識・技能を有する者により取り扱われること
 貸付けは、別紙様式2の「物品(国保有出土品)借受け申請書」の提出に基づき行うこととしているので、各都道府県教育委員会においては、借受けを希望する者等に対し、その手続き及び、当該出土品の貸付け期間中の取扱い等についての指導に配慮されたい。

(別紙)

出土品の取扱いに関する指針

                平成9年8月13日
                文化庁長官裁定

(出土品の取扱いの基本方針)
1出土品の取扱いについては、次の基本方針に従い、適切に措置するものとする。
(ア)出土品については、一定の基準に基づき、将来にわたり文化財として保存を要し、活用の可能性のあるものとそれ以外のものとに区分し、その区分に応じて取り扱うこと。
(イ)保存・活用の必要性・可能性があるとされた出土品については、その文化財としての重要性・活用の状況等に応じて、適切な方法で保管・管理を行うこと。
(ウ)出土品の活用については、広絶な方途により積極的に行うこと。
(エ)文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第63条第1項の規定により国庫に帰属した出土品は、法第64条の規定により、出土品の保存のため又は効用からみて国において保有・活用を行う必要がある場合は国が保有し、それ以外の場合は地方公共団体等に譲与すること。
(オ)国で保有した出土品については、その活用のために必要があるときは、地方公共団体等に対して貸し付けることができること。

(保存・活用の必要性・可能性のある出土品等の区分)
2 将来にわたり保存・活掴の必要性・可能性のある出土品とそれ以外のものとの区分は、その種類、性格その他の要素を勘案して各都道府県教育委員会が定める基準に基づき、行うものとする。

(出土品の保管・管理等)
3 出土品のうち前項の規定により将来にわたり保存・活用の必要性・可能性があるとされたものについては、その種類、性格、活用の状況等を総合的に勘案して、文化財としての価値が高く活用の機会が多いもの、文化財としての価値・活用の可能性が比較的低いもの等に区分し、それぞれの区分に応じた適切な方法により適切を施設において保管し、管理するものとする。
 保存・活用の必要性・可能性がないとされた出土品については、廃棄その他の措置を執ることができるものとする。

(出土品の活用)
4 出土品の活用については、博物館における展示・公開等のほか、学校教育における教材としての利用、住民に身近な施設における展示、研究活動における学術的な資料としての利用等広範な方途により積極的に行うものとする。

(国で保有する出土品の選択基準)
5 国庫に帰属した出土品のうち、次のいずれかに該当し、製作技術に優れ、類例に乏しく代表的であり、学術上又は芸術上極めて価値の高いものは、国が保有するものとする。
(ア)石器、骨角器等旧石器時代に属するもの
(イ)土器、土製品、石器、骨角器等縄文時代に属するもの
(ウ)土器、青銅器、鉄器、石器、木製品等弥生時代に属するもの
(エ)鏡、武器、武具、馬具、装身具、埴輪、石製品、土器等古墳時代に属するもの
(オ)瓦、貨幣、印章、仏像、経筒、骨壷、墓誌、陶磁器、木簡等歴史時代に属するもの

(譲与)
6 出土品のうち前項に該当し国が保有したもの以外のもので、その発見者又は発見きれた土地の所有者(以下「発見者等」という。)が当該出土文化財に係る法第63条第1項の規定による報突金の支給又は法第64条第1項の規定による譲与を受ける権利を主張していないものは、法第64条第3項の規定により、その出土地を管轄する地方公共団体に対し、その申請に基づき、譲与するものとする。

7 出土品のうち前2項に規定する取扱いにより国が保有し、又は地方公共団体に譲与したもの以外のものは、法第64条第1項の規定により発見者等に譲与するものとする。

(国が保有した出土品の貸付け)
8 図が保有した出土品について、地方公共団体、博物館、歴史民俗資料館、大学その他当該出土品の保存・活用を行うに適した者から貸付けを受けたい旨の申出があった場合は、次の事項を確認した上、物晶の無償貸付及び譲与等に関する法律(昭和22年法律第229号)の定めるところにより 当該出土品を貸し付けることができるものとする。
(ア)貸付けを受ける目的が当該出土品の保存・活用にとって適切であること
(イ)当該出土晶の保管・展示等を適切に行うための施設・設備が整備されていること
(ウ)貸付けの期間中、当該出土品が、適切な知識・技能を有する者により取り扱われること

(附則)
9 出土文化財取扱要領(昭和55年2月21日文化庁長官裁定)は、廃止する。


縄文学研究室トップ法令集トップ管理人:Nakamura Kousaku
E-mail:info@jomongaku.net