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【1980年】
出土品の取扱いについて(通知)により廃止】
【『文化財保護提要』より】
庁保記第12号  
昭和56年2月21日

各都道府県教育委員会教育長 殿
文化庁次長

出土文化財の取扱について(通知)



 文化財保護法(以下「法」という。)第63条第1項の規定により国庫に帰属した文化財(以下「出土文化財」という。)の取扱いについては、別添のとおり「出土文化財取扱要領」(昭和55年2月21日付け文化庁長官裁定。以下「取扱要領」という。)を定め、今後これに従って出土文化財の国による保有、地方公共団体又は発見者等に対する譲与、保存・活用のための貸付け等の処理を行うこととしました。
 ついては、貴教育委員会におかれては、下記の事項に留意の上、出土文化財の適正な取扱いに遺憾のないょう御配慮願います。
 また、貴管下各市町村に対し、趣旨の徹底方につきよろしくお取り計らいください。

1 出土文化財の国による保有
 出土文化財のうち国が保有し保存・活用を図ることとする物件は、従来「埋蔵文化財の国保有に関する基準」(昭和44年3月13日付け文化庁長官裁定)により選定してきたが、今回この基準に旧石器時代に属する出土品に関する規定を項目を加え、基準全体を取扱要領の第1項として定めた。(取扱要項第1項
 出土文化財の国による保有については、従来から出土地を管轄する地方公共団体の協力を得て進めてきたところであるが、取扱要領第1項の国が保有するものの選択基準制定の趣旨をふまえ、全国的視野に立って今後も引き続き協力されるとともに、管下各市町村の協力方につきよろしく配慮されたい。

2 出土文化財の地方公共団体への譲与
 出土文化財のうち国が保有しないもので、その発見者又は発見された土地の所有者(以下「発見者等」という。)が当該出土文化財に係る法第63条第1項の規定による報奨金の支給を受ける権利又は法第64条第1項の規定による譲与を受ける権利を主張していないものについては、法第64条第3項の規定により、出土地を管轄する地方公共団体に対し、その申請に基づき譲与の措置をとることとした(取扱要領第3項)。
 これは、出土文化財は、その学術的又は芸術的価値、適切な保存・活用の必要性等にかんがみ、国が保有しないものについては、特別の事情がない限り、地方公共団体への譲与を原則とすることとしたものである。この趣旨をふまえ、各地方公共団体は、管轄地域内からの出土文化財について積極的に譲与の手続きをとり、適切な保存・活用を図るよう配慮されたい。
 地方公共挿体への譲与を当該出土文化財の発見者等が法第63条第1項の規定による報償金の支給を受ける権利又は法第64条第1項の規定による譲与を受ける権利を主張していない場合に限ったのは、地方公共団体に対する譲与について発見者等との間の無用の混乱を防ぐためである。従って、出土文化財の譲与を受けようとする場合は、あらかじめ当該出土文化財の発見者等と連絡をとり、譲与を受けることにつき了承を得ておくよう留意されるとともに、管下各市町何の指導に配慮されたい。
 また、今後、工事等に伴う発掘調査その他の場合で、発見者等が企業、個人、一時的に組織される調査会等で出土文化財の保存・活用を行うに適さないと考えられる場合には、調査に関する法第57条第2項の規定による届出又は工事の事業者との事前調査に係る委託契約等の段階で、出土文化財について、発見者等としての権利を放棄する旨を確認する等前記の取扱いを円滑にする措置について配慮することが望ましい。(なお、国有地で発見され、又は国の機関が発見した出土文化財についても地方公共団体への譲与の対象となることに留意されたい。)

3 出土文化財の発見者等への譲与
 出土文化財のうち国が保有しないものについては、前記2のとおり、法第64条第3項の規定により地方公共団体に対して譲与することを原則としているが、この手続きによれないものについては、法第64条第1項の規定により発見者等に譲与することとした(取扱要領第3項)。

4 譲与を受けた出土文化財の保存・活用
 出土文化財の譲与を受けた地方公共団体又は発見者等は、当該出土文化財を一活して保存・活用しなければならないものとし、文化庁はこれらの者に対し、管理方法等について適切な指導をすることとした(取扱要領第4項)。
 このため、譲与を行うに当たっては、あらかじめ次の事項を確認することとしているので、留意されるとともに、譲与を受ける者の指導に配慮されたい。
(1)法第64条第3項の規定により地方公共団体が譲与を受ける場合にあっては、当該出土文化財を当該地方公共団体の適当な施設において一括して保存・活用すること。
(2)法第64条第1項の規定により発見者等が譲与を受ける場合にあっては、当該出土文化財を一括して保存・活用するため自ら適当な施設を有すること又は自ら適当な施設を有しないときは適当な施設を有する者に譲与若しくは譲渡し、又は寄託することを予定していること。

5 譲与の手続
 法第64条第3項及び同条第1項の規定による譲与は、別紙様式1の「出土文化財譲与申請書」の提出をまって行うこととした。
 申請に当たっては、次の書面の添付を求めることとしているので、留意されるとともに、譲与の申請をしようとする者の指導に配慮されたい。
(1)法第64条第3項の規定により地方公共団体が譲与を受ける場合は、発見者等がそのことを了承していることを証する書面
(2)法第64条第1項の規定により発見者等が譲与を受ける場合で当該出土文化財を一括して保存・活用するため由ら適当な施設を有しないときは、関係者の間で、当該出土文化財の譲与若しくは譲渡又は寄託により一括して保存・活用することにつき了解が成立していることを証する書面
 なお、発見者等の所在が明らかでない場合、一括して保存することにつき適当な方法がない場合等譲与するに当たって特別の事情がある場合は、個々の事案ごとに当庁と協議されたい。

6 台帳への登載及び滅失等の報告
 譲与した出土文化財については、文化庁に台帳を備え、これに所要事項を登載することとした(取扱要領第5項)。
 出土文化財は、公開・展示等により活用されなければならないし、また学術資料として、出土した遺跡あるいは発掘調査記録とともに将来にわたって研究の対象となるものであるから、その所在場所、状況等を常時把握しておく必要がある。このため、譲与した出土文化財の減失、き損及び所有者・所在場所の変更については、当該出土文化財の所有者から都道府県教育委員会を経由して報告を受け、台帳にその変更内容を登載することとした(取扱要領第6項)。
 地方公共団体又は発見者等に譲与した出土文化財の滅失、き損及び所有者・所在場所の変更についての報告は、貴教育委員会において、毎年度3月31日現在で当該年度中に行われたものをとりまとめ、翌年度4月30日までに文化庁長官あて伝達されたい。
 なお、貴教育委員会におかれても、可能な限り、譲与後の出土文化財の所在場所、状況等を把握し、特に地方公共団体以外の者に譲与したものについては、いやしくも売買の対象として散逸する等の事態が生じないよう十分配慮されたい。

7 出土文化財の貸付け
 国が保有した出土文化財については、従来からその出土地等の適当な施設において保管・展示等を行うため貸付けを行ってきたところであるが、今後も、地方公共団体、博物館、歴史民俗資料館、大学その他当該出土文化財の保存・活用を行うに適したものから借り受けたい旨申し出があった場合は、次の事項を確認した上、当該出土文化財を貸し付けることができることとした(取扱要領第7項)。
(1)借り受ける目的が当該出土文化財の保存・活用にとって適切であること。
(2)当該出土文化財の保管・展示等を適切に行うための施設、設備が整備されていること。
(3)貸付けの期間中当該出土文化財が適切な知識、技術をもつ者により取り扱われること。
 なお、貸付けは、別紙様式2の「物品(留保有出土文化財)借受申請書」の提出をまって行うこととしているので、借り受け者等に対し、その手続及び当破出土文化財の貸付け期間中の取扱い等についての指導に配慮されたい。

別添【省略】
別紙様式 1・2【省略】


縄文学研究室トップ法令集トップ管理人:Nakamura Kousaku
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