縄文時代後期における土器副葬とその背景縄文学研究室トップ研究ノートトップ
 2005年7月30日の土曜考古学研究会の例会発表資料(図は除く)

 前半は、卒論で扱った土器副葬の事例を挙げ、地域的・時期的な展開、そこで用いられる土器形式の特徴などについてまとめた。後半は、現在検討し、修論で扱うつもりでいる甕被葬・浅鉢・注口土器・舟形土器などの時期別・出土状況別の分布を提示し、土器副葬とともにこれらが密接な関係を持っていること、その展開から地域間関係の動きが把握できることなどの可能性を指摘した、つもりであった。
 しかし、(儀礼的な)土器の分布状況の評価という私の意図とは違って、質疑で問われたのは、土器副葬墓の墓坑群・遺跡内での位置づけ、「複雑化」等の用語の意味あい、先行研究の評価といった点であった。これらは基本的な部分であるが時間のかかる部分でもある。今回は敢えて外したのだが、それでは許してもらえなかったようだ。結局歯切れのよい返答をすることができず終わってしまった。  敗因は前半と後半の両方をうまく結び付けられなかったことにある。つまり、冒頭で示すべき現状の問題点と発表の目的・目標を明確に提示できなかったこと、まとめで示すべき各事象の関連性に言及できなかったことである。検討中の後半部分に時間を費やすより、卒論である程度の結論を出した前半に絞った方がよかったのかもしれない。これらの点を踏まえて、改めて文章化しながら論点を明確にしていきたい。(05.10.2)


土曜考古学研究会2005.7.30

縄文時代後期における土器副葬とその背景

國學院大學大学院博士課程前期
中村 耕作

1.問題意識:土器と儀礼を通じた社会論の可能性
・従来の縄文土器の社会的側面への関心 土器様式=集団論/形式論
・土器研究の新動向
・サイズ・使用痕・精粗⇔製作技術への注目
・型式構造論・器種行為論と注口土器・浅鉢・鉢への注目
・葬墓制研究の新動向
・階層化社会論
・葬送コミュニケーション論・墓域景観論
・土器様式と葬送儀礼用土器論

2.時間軸の設定

3.縄文時代後期における土器副葬
(1)研究史の成果と課題
・「副葬品」の認識
・副葬土器の時期・器種・分布
・土器副葬墓の性格
・課題
(2)墓坑の認定基準と事例集成【図1〜20】
(3)副葬土器の基礎的整理
・事例数・分布と時期区分
・土器形式
・出土状況
(4)土器副葬墓の位置と被葬者
(5)葬墓制の比較
・西南関東の土器副葬
・北関東の石棺墓
・東関東の多遺体再葬・合葬墓


4.土器形式の分布と儀礼的出土状況
(1)土器形式と儀礼に関する視点
(2)注口土器
・注口土器の分布密度の差
・儀礼的出土状況の地理的偏向【図21】
(3)浅鉢と甕被葬
・儀礼的出土状況(甕被葬)の分布【図22】
(4)舟形土器
・形態・分布の変化【図23】
(5)石神類型
・分布範囲と形式【図24】

5.土器副葬の背景:土器製作・儀礼用土器文化圏とその変化
(1)空間的問題
・上記1〜3期における土器副葬・甕被葬・浅鉢・注口・舟形・石神類型の分布範囲と、西南関東への集中という分布の共通性
(2)時期的問題
・堀之内2式新段階における変化

6.まとめ



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