インターネット上で調査・研究成果の公開を!縄文学研究室トップ研究ノートトップ

 インターネットの普及に伴い、考古学系のサイトもいろいろ出てきた。高校生の私はこれらのページに本当にお世話になっている。簡単に情報が手に入る、このようなページは大歓迎だ。
 インターネットで情報を発信すつことの意義はいくつもある。

 まず、「青森遺跡探訪」の案内人日記にもあったように、調査担当者が直接市民に向けて発表できるという点である。大袈裟な報道への対策にもなり、逆にマスコミが取り上げてくれない遺跡の重要性を知らせることもできる。
 弥生の大遺跡・妻木晩田遺跡の保存問題を扱っている「みんなの考古学」の試みは大変重要である。マスコミ報道に頼らず遺跡の重要性を指摘し、署名活動を行っている。

 次に、報告や論文が非常に安く多くの人に公開できるということである。調査報告や論文などは利益を目的に公表されているわけではないだろう。報告書は予算の関係で部数は制限されるし、値段も高くなる。論文にしても多くは原稿料などなしで発表されている。一般に考古学の論文は学会・研究会の会誌に載せられる。会費はほとんどその印刷費であろう。しかも地方の雑誌などでは入手が難しいのである。結局研究施設で閲覧しコピーをすることになるのではないか。それですら一般市民には手が届かない。
 それがインターネット上で公開すれば、安く、簡単に調査成果・研究成果を公開でき、また知りたい情報を簡単に手に入れることができる。貴重なデータを埋もれさせずに活用できるのである。
 また一般市民を含め、自分の研究をするのに環境があまりよくない人も、ネット上でさまざまな情報を手に入れて研究を進めることができる。

 3つ目としては、交流機能がある。電子メールや掲示板などを利用して多くの人と討議を重ねることができる。見た人がホームページに掲載されている事項に関連する資料を作者へ知らせることも、一般の論文に比べ楽にできるのではないか。
 とはいえ、この機能が十分活用されている例は未だに知らない。それは、研究者は研究者同士オフラインで繋がりを持っているためであろう。研究者にとっては、それでいいのかもしれないが、部外者から見れば閉鎖的でなかなか最新の研究成果を知ることができないのである。

 さて、さまざまなページを見てまわったが、どうも団体のページに比べ、個人ページのほうが遥かに充実しているようである。団体ページとしては、私が知る限り、小矢部市の桜町遺跡や三内丸山遺跡関係の諸団体のページ、奈文研などが比較的充実しているが、あとは要覧のようなページ、簡単な概要のみのページが多い。
 それに対して、個人ページはほとんどが、詳しいページで、作者の思いがよく伝わってくる温かいサイトである。内容も概要紹介ではなく、具体的な資料を提示してあるページが多く、また、掲示板を通じたさまざまな情報交換がされている。さらに、多くが担当者である作者の、論文・個人意見はとても貴重である。
 これは個人としてのほうが書きやすいということを示しているのであろう。このようなページがどんどん増えていくことを期待したい。
 これから個人でインターネットを始めようというのでは、現在の料金体系では少々厳しいかもしれない。しかし、私が期待したいのは、ホームページは持ってなくても接続できる環境を持っている人である。これは、かなりの数いるはずだ。ページスペースをはじめソフト・ツールなど多くの無料サービスがあるので積極的に利用すれば費用はわずかである。なにしろ全世界に公開できるのだから。
 ただ、時間がなかなかとれないというの問題がある。しかし、今では報告書や論文などはほとんどパソコンを利用しているはずだ。それらを転用すればホームページは簡単に作れる。凝ったページでなければ、原稿さえあれば時間はほとんど必要ない。


 各地域で実際に担当されている皆さんがその成果をインターネット上で公開し、それによって専門家以外でも考古学を楽しむことができるようになることを期待します。
(1998.11.22 第1稿)  



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